なぜあの店主は失敗したのか?お客様目線のない自営業はつらい

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過去にTwitterで話題になった小さなセルフスイーツバー(仮)が、最近ひっそりと閉店、廃業していました。

バズって起業したのに

このお店は「遊べるスイーツバー」でした。

自分で高級な素材を選んで盛りつけ、世界に一つだけのオリジナルデザートが作れるという、なかなか面白い業態の店でした。

開店当初に男性店主の「これからこういう店をオープンします、皆様のアドバイスください!」という投稿がバズり、多数のリプライがついてフォロワーが一気に増加したのをリアルタイムで見ていました。

飲食店のSNS活用としては理想的な滑り出しだったのですよ。広告費を掛けずにうまいこと起業したなーと思って、しばらく見ていました。

しかし経営下手か

その後が続きませんでした。

正直突っ込みどころも多かったのでフォロワーのアドバイスは多数集まっていたのですが、多くはスルーされて実行に移している気配が見えませんでした。

「今日も暇です」「誰も来ません」といったネガティブツイートも見受けられ、最終的には、経営の不調、スタッフとのトラブル、借金トラブルと、自身が引き起こした問題が満載となった末に、閉店となりました。

スイーツ店店主

そんなことの詳細までTwitterXに書いてしまう時点でどうかと思いますが。

一連の店主の発信を見ていると、「これはメタ認知に問題があるなあ」と思わずにはいられませんでした。メタ認知とは、自分がどう見えているか、どう伝わっているかを一歩引いた目で理解する力です。

それがあったら、借金トラブルやスタッフとのトラブルなんて普通は店のアカウントで書かないでしょ?私だったら匿名裏アカで盛大に書きますけどね。そもそも、私は他人を信用していないのでお金なんて何があっても貸しませんし、スタッフも雇いませんが。

お客が置いて行かれた感

この店の経営を勝手に振り返ってみると、まず来店動機の設計が弱かった気がします。

「誰に」「何を」「どう届けたいのか」が不明確で、結局、何を楽しみに来ればいいのかが伝わらなかったのです。

自由度が高いというのは、裏を返せば放置になってしまいます。初回は面白くても、リピートする理由が弱いんです。スイーツ好き客は「スイーツの素、たくさん並べときました」では何回も来ないんです。これは飲食や体験型ビジネスでは致命的でした。

「アドバイスください」と言いながらも、それをほぼスルーしていたのも問題です。反応した人たちからすれば、「あれ?聞いてたんじゃなかったの?」と温度差を感じます。

アドバイスの中には「映えるスイーツ作り方講座などを開いて、月一のイベントにしたら?」という良い意見もあったのですよ。私もそれはいいねーと思ったのですが、結局それらしき事は実施していなかったようです。

結局、アドバイスをくれた人々は無視されたと感じて、応援したくなる気持ちは消えてしまいます。巻き込み失敗。実にもったいない。

Twitterでの発信も一貫性がありませんでした。「今日もお客ゼロ」といった発言は共感よりも重さが勝ち、読んでいる側は「行って応援したくなる」よりも「こんなガラガラの店、ヤバくない?」とネガティブに感じてしまいます。

総じて、お客様目線が足りな過ぎな印象でした。

こうすれば良かったかもなポイントまとめ

個人事業主がこの事例から学べることはこんな感じ。

  • 自営業においてメタ認知は超重要。
    「自分がどう見えているか」「お客様はどう見ているか」を把握しないと、どんなにいい素材も伝わらない。
  • ビジネスは始めるより続ける方が難しい。
    開店や起業はスタートにすぎず、その後に待っているのは調整、改善、継続。そのために何をするか。
  • アドバイスは「もらって終わり」ではなく、「実行して報告してフィードバックする」ことで信頼に変わる。
  • 店の価値は「空間」ではなく「体験」で伝わる。誰にどう楽しんでもらいたいかが曖昧だと誰も来ない。

反面教師で勝手に学ぶ

私は悪趣味なので、こういう不思議な経営者を見つけると、交流は一切しないで追いかけて深堀りして分析してしまいます。

関わりない他人の失敗は冷静に見られるからこそ、気づけることが多いんですよ。このセルフスイーツバーの一件は、まさにそんな「反面教師の宝庫」でした。皆様のご商売はうまくいかれますように。