お客様や仕事の紹介はメリット・デメリットがある

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長いこと自営業をやっていると、お客様の紹介で新規顧客がいらっしゃることもよくあります。ありがたいことです。

紹介での集客は広告宣伝費がかからないメリットがあるため、一般的には「紹介されるサービスを目指すべし!」というのが経営の定石です。

が、何でもかんでも紹介すれば&されればいいというものでもないのです。正直、ありがた迷惑な紹介もありました。

全然条件が合わない紹介

仮名でAさんという方がいました。私よりかなり年上の会社社長で、新規事業立ち上げに当たってうちに仕事を依頼してくださった方です。

直接のお仕事依頼はよかったのですが、Aさんが紹介してくださる仕事やお客様がまぁ見事に身にならない案件ばかりで困りました。

その1 全く集客できない講座の講師

まずは、「ジェイ子さんは教えるのが上手だから、〇〇をテーマにした講座をうちの会社の会議室で開催しましょう!」という提案でした。

そのテーマなら十分教えられるであろうという内容でしたが、講座をしたことがない内容でしたから自分のスキルも上げておかないといけませんし、配布テキストも新規で作らないといけません。

準備に非常に時間と手間がかかります。

講座は3開催で各8名定員にしたい、とのことでした。

で、生徒はどのように集客するのか。

「これから新規でチラシを作るのと、弊社のサイトで告知します!」と。

知名度の低い会社や講師がやっている有料講座なんか、チラシで簡単に集客できるものではありません。Aさんの会社サイトも正直そんなにPV多くなさそうです。

集客が厳しいのではないかと話をするも、「できる限りやってみます!」とのお返事で行うこととなりました。不安なので私の方でも集客することにしました。

Aさんはこういう講座の集客をしたことがないので、おそらく8名×3なんて簡単に集まるだろうと高をくくっていたのではないかと思います。

1度でもしたことがある方ならそんなに甘くないことはわかるでしょう。

女性社員

結果、3開催のうち、1開催に4人しか集まらず、2開催は3日前になってもお申し込みゼロ。1人とかだと交通費で儲けがなくなり赤字なので、相談の上募集を打ち切ってもらいました。

ちなみにこの講座は受講人数×いくら、という契約で請け負ったので、とってもわずかな儲けとなりました。時給換算でバイト以下です。

講座も他に使いまわしできない内容だったので、私がせっかく作ったテキストもこの1回でお蔵入りでした。がっくり。

Aさんも広告費分で赤字だったと思います。

その2 売れない商品を作らされそうになる

リアルの私の事業内容は書けないので、例えばうちがクラフト教室だったと仮定して書きましょう。私は手芸の方法をお教えする講師なので、自分で作った手芸作品を売る仕事はしていません。

ところが、Aさんは「ジェイ子さんの手芸作品をうちの関連会社で売りましょう!」と、またプッシュしてきたわけです。

有名作家さんくらいしか手間の割に儲からないようなモノを、作家として全く名も知れていない私に「ジェイ子先生作のクマちゃん 3,000円」みたいな感じでドバーンと売りに出そうとしているわけです。

ちなみに、受注生産では対応できない在庫を抱えないといけないような商品でしたから、作るのにものすごく時間と労力が必要です。

さすがに今回はAさんの的外れな提案には乗れません。

「いやー、すみません、とても売れると思えないので今回はご辞退を…」と申し出ると「またまた、ご謙遜なさって!」と全く理解されていない模様でした。

私が作るモノは質がいいと思っているので謙遜したつもりはないのですが、作品を作って売るってのはそんなに簡単なことじゃないんですよ。

そういったことを丁重にやんわりご説明して、今回は丸く収めながら辞退しました。

その3 予算が1桁足りない顧客

またしばらく後に、Aさんの取引先のBさんを紹介されました。

「ジェイ子さんに仕事をお願いしたいので、ぜひ引き受けて!」と言われたので、私もBさんに親身にご要望をお伺いしたわけですが…。

かなりのボリュームの案件です。

「その内容ですと10万円ほどになります」とお話しすると、Bさんは「えっ…」と黙ってしまわれました。

聞くと、予算2万円くらいで考えていたと。

「は?」

困る女性

「そんなにケチられたら無理無理!」と言いたいところでしたが、ビジネスライクに丁重にお断りいたしました。

ぜひ引き受けてって言われても、さすがにそんな1桁違う値引きはお受けできません。

AさんもBさんの予算までは把握していなかったのだとは思いますが、世間の相場からしてもだいぶ低予算でした…。

それで断ったのが気に障ったのか、Aさんからはその後全く連絡がなくなりました。正直安心しています。

仕事の紹介は難しい

金銭感覚も趣味嗜好も熟知していて「この人にジェイ子の会社を紹介したら、絶対ハマるし喜ぶ!」というお客様を紹介していただけるのは大歓迎です。

しかしそうでない人の紹介は、紹介する人もされた人も私も、あまりいい思いをしない結果に終わります。

「〇〇さんに紹介されたから、義理で1回行っとくか」みたいな感じでとりあえずうちに来られても、そういうお客様はまずリピーターになりません。

紹介者から「△△さん、あれから来てます?」と聞かれても「あぁー、1回だけでしたかね…」と答えてお互い気まずくなります。

誰かに自分の気に入ったサービスを紹介するのでしたら、料金やシステムなども詳しく説明するか、サービスのサイトをよく読んでもらってから、納得の上でのご紹介が必要です。

自分も、良かれと思って無益な失礼紹介をしないように気を付けなければと思っております。

なので、この記事↓に書いた紹介そのものが目的のビジネスグループは、どうも私には受け入れられませんね…。

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