興味がない仕事で起業しても個人事業は続かない

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猫好きではない猫カフェ店主

数年前の猫カフェブームの時、こんな感じの売り文句のとある猫カフェがオープンしました。

「当店は雑種のような猫はおりません。血統書付きの高級な猫ちゃんだけを置いています」

むむ?この店主は明らかに猫好きじゃないな…と、猫好きとしては当然ピキーンと気づいてしまったわけです。

明らかに猫を生き物ではなく「商売道具」としてだけ見ているのは、この一文だけでも明白です。猫好きの多くは雑種も野良もかわいがるんです。少なくとも、猫が好きな店主なら雑種猫を低級扱いするようなことは表に書きません。

さらに「流行りの猫カフェをオープンしてこれから儲かっちゃう俺、カッコイー!」ってな感情が行間に見えまくりで「うわー」と引きました。

おまけにこの人、この店が初オープンなのに、「猫カフェ開業、集客にかかわるコンサルティング請け負います」みたいなことまで書いてるんですよ。

「コンサルまでやっちゃうデキる俺、もっとカッコイー!」と思っていたのでしょう。上から物申すのが好きなタイプの方です。

猫カフェ好きな私でもこんな店には行く気もしないので放置しておりました。

その後、2年と経たず閉店していました。私と同じように経営者に違和感を感じた人は多かったようで、ネットでも同様の書き込みがいくつもありました。猫好きを甘く見てもらっては困ります。

猫

熱意のない仕事は顧客に伝わる

オーナーとして従業員をうまく使って事業を立ち上げる人は別ですが、個人事業で商売として自分が営んでいくのに「これ興味ないけど儲かりそう」という仕事で開業しても、こういうことになりがちです。

人間、全く興味がないことに注力して続けるのはつらいですよ。しかも自分がつらいだけではなくて、接客業なら顧客にも興味のなさが伝わります。

前述のように「この人、猫好きなんじゃなくて猫は単なる商品なんだ」って思われたら、猫好きな顧客に何度も足を運んでもらうのは無理でしょう。

商いは飽きないことを

好きなことを仕事にして起業する前に再考を という記事でも書いた通り、好きなことが「絡んでいる」仕事が一番自営業向きだと私は思います。

私は飽きっぽいのですが自営業歴は20年近くになりました。本業は好きなことがらみですし、それ以外にいろいろな仕事をちびちびやったり、なにやらを企画してみたりもしているので、飽きずに続けていられる面もあります。

まあ、飽きたところで辞めたら収入がなくなって暮らせないというのもありますが…。

余談ですが、以前近所にいい空き物件が出たことがありました。
「ここに猫カフェを開業したら、毎日猫モフリ放題で楽しそう!」と頭によぎったことがあります。

しかし、片手間にできるような簡単な仕事ではないし、賃料は莫大だし、猫従業員は万が一店がつぶれても解雇できません。
猫を一生養っていくことを考えると責任重大なので、よぎっただけで終わって良かったです。