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長いこと派遣の仕事と自営業を並行しておこなっていて、それなりに稼ぎも安定しておりました。しかし、ある一件で派遣を辞めて完全自営業化することとなったのです。
前回書いた[本]ウザいあの人を一瞬で手なずけるオトナの社交術を読んでいれば、結果が変わっていたのかも…?
突如おっさんあらわる
最後にいた派遣の職場は、派遣というより経験者として出向のような感じで現場を立ち上げる役目を担っておりました。役職はなかったものの、私が実質リーダー的存在で回していたのです。20~30代の女性が5名ほどの仕事場でした。
そんなある日、大手メーカーを退職した60過ぎのおっさんが入ってきました。派遣先は、そのおっさんがメーカーで培ったスキルを求めていたようです。
が、なんとも仕事がおっそい遅い。そして、「1分だけいい?」と話しかけてくると10分は覚悟しないと終わらないくらい、話が異常に長い。しかも何かにつけてかなりトンチンカンです。
かき回すおっさん
そこまでなら「お荷物な人だなー」と思いつつも、あまり関わらないように大人の対応で過ごしていられたのですが、だんだんイラッと来ることが増えました。
例えば、私が作った職場の仕組みを「こんなんじゃだめだ!」とぶち壊しにかかってきたのです。
例えばスタッフ間の連絡はメーリングリストとネットの掲示板(当時はまだ無料チャットツールが無かった)を設定して使っていたのですが、紙のノートの連絡帳にしろと。
このご時世に、しかも職場は一人1台PCがあるのに、アナログすぎて全く意味が分かりません。
反対されると何かと激高する人だったので、面倒くさいから従うことにしました。歳も歳だし、前の会社ではそれなりの役職についていてプライドもあるのでしょう、娘みたいな歳の私たちはもはや部下扱いです。
ここの会社は管理能力が低く、私にもおっさんにも役職や序列をつけずに両方リーダー的な立場にしたのがそもそも間違っていたと思うんですけどね。
私は人と争うのが大嫌いなので、どう考えても私の方が正しいことでももう逆らわずに黙っていました。
老害おっさんに噛みつかれる
そんなある日のミーティング時、おっさんが例によってグダグダとまとまらない話をしておりました。
その時に「これはどうしても従えない」と思う発言があったのです。なんだったかもう忘れたけど、「朝15分早く来て全員でラジオ体操すべし」くらい、従いたくないようなことだった気がします。
長い話にイラついていた私は、つい「そんなことしても意味ないんじゃないですか?」とストレートに言ってしまったのです。それが運の付き。
娘くらいの年齢の私にバッサリ言われたのが相当気に障ったらしく、「なんだと、お前は私のことを見下してるのか!ちょっとできるからっていい気になってんだろ!ギーギーギー!」と、いまだかつてない勢いで激高してきたのです。
「いや別に見下してませんよ」と冷静に返すも、私が平静なのがかえって気に障ったのかますます勝手にヒートアップしました。「おまえ、何様のつもりだ!」まで言われています。一同唖然。
おっさんは別のスタッフになだめられてなんとかその場は沈静化しましたが、名誉棄損で訴えたいレベルで罵倒されました。
後日おっさんは「言い過ぎた」と謝ってきましたが、さすがにこの一件は許せません。この職場では契約更新しないことを決めました。
何度も引き止められましたが「もう無理です」と。送別会も開催をご辞退して、すべての仕事をおっさんを除く他の社員に引き継いで完全に縁を切りました。
他人にはわりと感情抜きにして接する私も、この人にだけは最後の挨拶もせずに去りました。
おっさん家には30過ぎで一度も働いたことがないニートの息子がいるらしく、多分家庭の悩みも多くストレスがたまっていたんでしょう。気の毒だなーとは思いますが、私には関係ありません。暴言を吐かれたのは今でも許せてないですね。
きっかけを作ったのは私ですから、しみじみ「私って会社組織に向いてねー」と思いました。
ちなみに、この職場にいたころは今より10万以上収入が多かったです。
ウザいおっさんのおかげで、たとえ収入が激減しても「これから一生人に雇われず、一人で自営業をやっていく」という固い信念を持てたという点では、怪我の功名的に感謝しています。
こんなきっかけで自営業を始める人もいますよ、というお話しでした。
※後日追記
この事件からもう10年近く経っています。おっさんは私の退職後、別件でまた揉め事を起こし、穏便にクビになったと聞きました。最近、その職場自体も閉鎖されたようです。
おかげさまで今は個人事業主でもしっかり稼げているので、当時の自分に「おっさんのおかげでここで辞めといて正解だったよ!」と言ってあげたいです。