教室の無料体験レッスン集客は厳禁

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前回の記事、サービスはタダではないので電話で質問は受けません に関連してもう一つ。

私が教室開業して独立後、どんなに集客に困っていても一度もやらなかったのが、教室講座の無料体験会です。自分で自分に禁止令を出して厳禁していました。

無料体験の効果は良し悪しありますが、私は今後もやりません。

教室無料体験のメリット

  • 数多くの人に足を運んでもらえる
  • 実際のレッスンや講師、教室を見てから入会を決めてもらえる
  • 体験受講後に直接入会勧誘できる

以前勤めていた教室では、そういった理由で定期的にチラシをまいて無料体験をやっていました。

教室無料体験のデメリット

  • 入会意思のない冷やかし客、暇つぶし客、タダで質問しまくる客など、質の悪い時間泥棒も来る
  • 準備、実施、アフターフォローに膨大な時間とエネルギーを奪われる

一言でいうとこの2点なのですが、これが非常に重い負担でのしかかるのです。

冷やかし体験客の対応も厄介

入会する気のない冷やかし生徒は、体験レッスンが終わって教室説明の時間になると、まともに聞いていないしパンフレットもほとんど見ないので大体わかります。ひどい人は途中退席して帰っていきます。

いろんな教室の体験授業ばっかりタダで受けて回っている体験荒らしのお乞食生徒もいますからね。

そもそも無料体験ですから入る気がない人は終了後引き止めず、気持ちよく静かにさっさと帰ってもらえばいいのです。

しかし、ここで一番困る冷やかし客が「入会する気もない上に教室をけなす」人なのです!

「うわー、この教室受講料高いよねー!」などと大声でネガティブ発言をしながら隣に居合わせた人に話しかけ始めるのです。こうなるとその人を軸に一気に負のエネルギーが拡散します。

こういう人の隣に座った人で、当初入会するかどうか迷っていたのにダークサイドに落とされてそのまま帰ってしまった方もいました。

お店でもそうですが、場の雰囲気って主催者だけでなくお客様、生徒様が作ってくれる部分が大きいのです。

お金を払ってまで「ちょっとあの教室をけなしに行ってやろう」と思う人はまずいません。
しかし、無料体験では暇つぶしやストレス発散でネガティブエネルギーを放ち、マウントを取りに来る人が紛れ込む率も高くなります。

何の役にも立たないどころか、かえって機会損失をこしらえて帰っていく疫病神なわけです。

完全無料誰でもウェルカムでなく、「体験料1,000円、入会したら入会金から1,000円引き」といった実質無料設定の体験会をしている教室もあります。もしやるならその方がいいと思います。

ある教室の先生と話した時に「体験荒らしがいるから、うちは無料体験はやめた」とおっしゃっている方もいました。タダ(もしくは超安価)で様々な教室を受講して周り、質問攻めにして時間を奪ってくるそうです。

余談ですが、無料体験講座には同業他社のスパイが紛れ込むこともあるようですよ。

授業中

教室スタッフの時間とエネルギーを消費する体験会

以前勤めていた教室では無料体験会の前日に100人規模の来客に確認の電話までかけていたので、事務員さんはもちろん、講師も休講になり、全員でひたすら電話かけだけに1日を費やしていました。私、電話嫌いなのに。

固定電話番号の人だと、家族が出て勧誘の電話と間違われて「結構です!」とガチャ切りする人もいます。「こっちは結構じゃないよ、お宅のご主人が体験会に申し込んでるんだよ…」と思いながら嫌な気持ちで再度電話をかけ、ひたすらいぶかしがられる、なんて屈辱プレイを受けるストレスフルな日もありました。

体験会期間はこういう事前準備にも、実際の体験授業や入会勧誘にも、入会を保留して帰った人へのアフターフォロー勧誘電話にも、ものすごく時間とエネルギーを使って消耗していました。

働いていたスタッフは全員こんな無料体験会を嫌がっていましたが、会社が決めたことだし、ここの教室はこれをやらないと多分集客できなかったので仕方ないでしょう。

雇われ講師だった時も「私が経営者だったら、無料体験会なんて絶対やらずに勝負するわ」と思っていたので、これも私を一人自営業化に駆り立てた要因です。

給料をもらっていた身分では少なくとも私のふところは心配なかったですが、一人自営業で無料体験会という名のタダ働きを頻繁にやっていたら、経営者の時間とエネルギーと貯金がどんどん失われていきます。

私の独立後数年間は、所得税も非課税なほどの微々たる稼ぎしかなくて、厳しい下積み生活でした。

「こんなに集客できないなら、いっそ無料体験教室をやった方がいいのか?」と心揺らいだ時もありましたよ。

でも今ではやらない戦略で正しかったと思えるくらいに質の良いお客様がついて、リピーター様のおかげでまあまあ稼げています。

教室見学も規定を決めて

これも以前雇われ講師をやっていた教室での出来事。事務員さんに教室見学客をまるまる2時間の授業に放り込まれたことがありました。

その見学客はガシガシと授業のメモを取ってるし、挙句の果てに正規の生徒さんに混ざって質問までし始めるじゃないですか!どう見てもタダ聞き目的です。

その時は場の雰囲気が悪くなるのも嫌なので断らずにサラッと答えましたが、タダで来た見学客にこの好待遇ではお金を払って受講しているお客様に失礼です。

案の定、このタダ聞きマンは入会せずに1回きりで去っていきました。見学荒らしだったのかもしれません。

それ以降「見学者の教室滞在は30分まで」と規定を決めてもらって、時間になったら事務員さんが声をかけて教室外に連れ出して入会案内、という流れに統一してもらいました。

一人でやっている教室なら通常授業の見学は受け付けず、カウンセリングや相談会として生徒さんとは別枠で教室に来てもらうようにした方がいいですよ。せっかく来ている生徒さんに失礼な対応をして辞めてしまわれては本末転倒です。

あなた様も、ご自分の教室の無料体験や見学をどうするか、方針をよーく考えてから教室運営されることをお勧めいたします。